高速道路の両側は、最後の紅葉。
なんと美しい景色であろうか。
毎年、この時期に長野に来ているのだが
何年ぶりで、美しいと思える紅葉を見ることができた。

毎年お世話になるリンゴ園へ。
今年は、真田丸(テレビ放映)も終わり
観光バスで来られるお客様が少なくなったという。

今年は、少し静かにリンゴ取りを楽しんだ。
初めての幼子は、
「りんごがこんなに美味しいって初めて知った」
と言いながら、自分でとったリンゴを頬張っていた。

働く人々は、みな高齢者。
「おじちゃんが、もっととっていいと言ったよ」
「梯子を降りるとき、抱っこしてくれたよ」
などなど、幼子たちは、高齢者とかかわることとなった。

聞くところによると
シルバー人材から派遣されているという。
「年金だけでは、食べていけねーよ」83歳の男性が言われた。
働けるところがあっていいですねと伝えると
「そうだな…。人と話をし、若い人と接することもできるしな・・」と

隅の方では、おばあちゃん達が、野菜を刻んでいた。
「福神漬けを漬けているんだよ」「これはきゅうりを漬けておいたもの」
商品にならない作物を加工していると説明をしてくださった。
御年 90歳という。
別の倉庫からは、白菜漬け・野沢菜漬けを袋に入れて
「もっていきな・・」白菜は、薄味だからキムチの素と和えるといいよ。
野沢は初めて食べる味 美味しいと伝えると
「これは酢を沢山入れてあるから、長持ちするよ」
「私の口には、少ししかはいらないけれど・・・」と笑っていらした。
こちらは、83歳。
みな高齢者である。そういう私も高齢者だが。

人それなりに出来ることがあり
代々受け継いで、自分なりの色を付け
また、伝承されていくのだろうと思うと
時代の歴史だけではなく、多くの事柄が伝承されていくことに
心が、ほっこりした思いだ。

ITの発展において、だれにも聞かなくても
なんでもできてしまうという時代かもしれないが
私には、錯覚としか思えない。

確かに便利で、なんでも知ったつもりのお方が
なんと多いことだろうと。
検索で得た情報は、世間一般論であるわけだ。
一人一人環境も違い、世帯間も異なり、生活そのものも
みな異なっている中で、一般論だけの情報で
物事を解釈してしまうことに、少しばかり憂える。

長い人生を歩まれた、経験豊富な方々の話は
生きた辞書のようなものに思える。
(反面教師の場合もあるが・・・・反面教師でも学べるものだ)

また新たな出会いに感謝し、来年お互いが元気で会えるようにと
挨拶を交わし、長野を後にした。

あと数日もすれば、雪便り。
紅葉もよし、雪便りもよし。
人とのふれあいは、さらによしであろうか。

投稿メンバー

江本ヒロミHiromi Emoto
神奈川県出身
いつまでもあると思うな親と金。
心も大きく体も大きいが病気は一切無し。心身ともに健康。