22日~北海道 函館に来ている。
神奈川の暑さから比べると、比較できないほどの涼しさだ。
室温高くとも25度強・・・北の国は節電など気を使うこともない。
なんとも、嬉しいことだ(田舎なのだ・・・)
毎年恒例の野菜直売場にお邪魔をしてみた。
ハウス物のトウキビは完売・露地物がでるのは8月10日ごろ。
ビュアホワイト(白色トウキビ)は、まだまだ先にこと。
通常のトウキビの側で、ビュアホワイトは栽培できないとか。
白と黄とが交配してしまうと白色のビュアホワイトにならなくなるという。
種まきの時期をずらすか、大きな敷地面積が必要となる。
なるほど、どこにでも出回らず・高額なのは、理由がここにあった。

本州では、トウモロコシ(トウキビ)は、今盛り・家庭菜園でも収穫時だろう。
日本は、南北に長~い国。
桜も南から、北まで開花時期が異なるように、作物も長い期間味わうことも可能なわけだ。
ところが、「今年は虫が多く、トウキビの露地物の収穫は検討がつかない」と言っていた。
この農家さんは、新しい野菜にチャレンジし、毎年毎年目新しい野菜にお目にかかれる。
もちろん、食べ方の指導もある。
トマトは、こんなに種類が多く、それぞれの用途を為している。
出来上がったトマトを交配させ、新しい新種作りに余念がない。
家族揃って、農作業・販売と夏は忙しいそうだ。

いつもお世話になる農家の人は、「今年はじゃがいもがいい…」
草むしりに余念がない。
ここで手を抜けば、良いジャガイモの収穫にならないとか。
函館朝市の販売を休んでの草むしり、旧体制の農家さんだ。
10月にいつも大量のジャガイモを頼むのだが、下見ということと、年齢が高く、忙しい時期の陣中見舞いも兼ねて訪問をさせていただいた。
元気で仕事をしていたことに安堵する。

20代の漁師さんと話ができた。
一人は、親の家業を継ぐ、天然昆布を取る漁師。
一人は、養殖昆布取りの家業を継ぐ漁師。
一人は、サラリーマンとして勤務する漁師。
ここにも、変化が起きていた。
サラリーマンの漁師はついに他の職業に就く為に、本州に渡った。
漁師も、家業を継ぐ人以外は、収入の限界があり、将来を見極めることはできないようだ。
家業を継ぐ二人の漁師は、
「まだ、いいっぺさ。普通のサラリーマンに比べれば収入も高いし」
と言いつつも、
「農家のように、漁業組合も、今後は大きな変化が起るだろう」と。
嫁はなかなか来ない。
漁業先に嫁げば、仕事はしなければならない。
昆布取りはまだいい方で「ウニとりは、つらいよ…腰まで水につかるからな」と。
この世界も年々、若者がいなくなる。
大変な仕事を長く続けることは、本当に困難なことなのだろう。
困難なことより楽(らく)に楽(たの)しく暮らしたいと思い始めたのは、いつごろなのだろうか。
そして、これが叶わなくなりはじめた。
努力なければ、何も得られないという時代に突入した。
昔に戻ったと言えばいいのかも知れない。

とある人の言葉に、
「無理をしたり、我慢をしたりすることがシャンとすることなんですよ」
「辛いことをしている時の方が、生きているなーと思う」
久しぶりに若い方から、このような言葉を聞いた。
なんとも、昔にタイムスリップをした感がある。
【無理をする】【努力する】【我慢する】【辛いこともある】
このような事は昔昔の人は当たりまえと思うが、つい最近まで禁句のようになっていたような。
良き時代に生きてきたしまった人々が、一度は経験をしなければならないことに直面しているのだろう。
私など、仕事は出来るまでやるのだと教わった世代だ。
できなければ叱られたものだ。
今になれば、叱ってくれた人に感謝である。
【無理や努力は言われるまでもなく】【我慢・辛い当たりまえ】
その先に、得る達成感や生きてきた証は自分の財産かも知れない。(若き人々には、古い…と言われそうだ)

夏の北海道は観光で旅人も沢山見受けられるが、私たちに美味しい食べ物を届けてくれる為に額に汗をかき、短い夏に懸命に仕事をする人々、地に足を付けて仕事に精を出している人々に巡り合えることが、北海道に来て一番の楽しみだ!!

【叱ってくれる人】
我々の生活が自堕落になった時、心から馬鹿と叱(しか)って呉(く)れる畏敬する人を持つ者は幸だ。

『安岡正篤 一日一言』より(致知出版社刊)

投稿メンバー

江本ヒロミHiromi Emoto
神奈川県出身
いつまでもあると思うな親と金。
心も大きく体も大きいが病気は一切無し。心身ともに健康。